Skip to content


タイでトヨタが苦戦している理由

  例年、正月明けに香港からシンセンに入り、中国の発展ぶりを自分の目で確かめています。今年は自動車の輸出基地として再評価されているタイまで足を延ばしてみました。

 タイを訪れのは十数年ぶりです。当時のバンコックでは三輪車のホロの付いたトクトクと呼ばれる独特の乗り物が我が物顔で走ってました。ところが今やトクトクは風前の灯です。代わって登場したのがピンクのタクシーです。ほとんどはトヨタのカローラです。06年に登場し、バンコックのタクシーはほとんどがカローラになっています。タクシーに採用されたこともあり、トヨタ車が溢れかぇっているいるように思えますが、なぜかトヨタのシェアはタイで落ちているそうです。

 明らかにタイの需要構造は違ってきているのです。タイではカローラはまだ庶民にとって高根の花です。個人向けが伸びているのが、日産のマーチです。日産はタイで生産したマーチを日本にも輸出しています。近くホンダやスズキも現地の事情に合わせた車を投入するようです。トヨタには今のところその種の計画はありません。トヨタが得意としてきた小型ピックアップトラックも政府は税制の恩典をなくすことを検討しているようです。こうなればシェア低下に歯止めをかけることは出来ないでしょう。

 豊田章男社長のいうわくわくする車、楽しいクルマは、残念ながらトヨタの裏庭ともいうべき東南アジアにはありません。中国についても同じことがいえます。市場の需要に合った車を投入できないことが、トヨタが発展途上国で苦戦している最大の理由あることがよく分かりました。近年のトヨタの経営を見ていると、どこに的を絞っているか分かりません。

 現状のままでは、今年の世界販売の世界一の座は間違いなくGMに奪われてしまうでしょう。トヨタはこのまま衰退していくのでしょうか。トヨタの衰退は日本国の衰退なのです。トップはそのことを自覚して経営にあたっているのでしょうか。甚だ疑問です。

Posted in 未分類.