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日本と米国の書評の違い

  予定通り4月10日に「ザ・ハウス・オブ・トヨタ」の文庫本上下、15日に「トヨタ・ストラテジー」の単行本が文藝春秋から発売されました。文庫本、単行本とも装丁は多田和博さん、イラストは西口司郎さんと、私が勝手に”チーム佐藤”と呼んでいる人たちです。

 単行本、文庫本の装丁はホームページを参照してもらえば分かりますが、品の良くしかも目立つ表紙で満足しています。見本刷りは発売日以前に手元に届いていますが、発売日は書き手にとって特別の日です。譬えて言えば、高校生の時代に彼女と初デートしたようなうきうきした気持です。

 発売日にはいつものように4、5軒の本屋さんを回ります。平積みされているのを確認すると、店員さんに「この本は売れそうですか」と聞くこともあります。ビジネス街の書店では、リキが入ってのが分かります。数日後、同じ冊数が摘んである光景を見ると、「一冊も売れなかったのかな」と悲観的になったり、「売れたから在庫を積み増したのではないか」と楽観視します。ともあれ書き手としては、多く売れるというより、より多くの人に読んでほしいというのが正直な気持ちです。

 米国と日本の違いは、書評にあります。日本では出版元は発売と同時に新聞社などに贈呈します。書評委員会を通れば1、2カ月後に紙面化されます。ところが米国では発売直後、本によっては発売日前に書評が出ることがままあります。ニューヨーク・タイムズに取り上げてもらうには、出版元は最低でも発売日の2,3カ月前に送らなければなりません。出版元は書評の反応を見ながら発行部数を決めます。

 トヨタ・ストラテジーは日本語版に先駆けて昨年12月半ばに英語版(タイトルはトヨタ リーダーズ)を出しましたが、運よくクリスマス直後に「ニューヨーク・ポスト」で取り上げてもらいました。これから1、2カ月先に日本のマスコミがどんな取り上げ方をしてくれるか、今から楽しみにしています。

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