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豊田章男さん、行き先が違うよ

 トヨタのリコールが大問題になっております。28日に米国で230万台で、同時にリコール対象車種の販売・生産も発表されました。

 これは「やばいぞ」思った直後にNHKラジオからコメントを求められ、同夜夜10時の「ニュースジャーナル」に電話出演しました。ここで私が強調したのは、昨年11月に4080万台を超える大量の自主回収に踏み切った際、全工場で安全の総点検をやっておれば、今回のリコールを防げたのではないかということです。

 私の感覚からすれば、単にリコールにとどまらず生産・販売中止ともなれば、社長はただちに米国に飛び、記者会見して然るべきです。トヨタは専用機を持っているのでその気になれば、すぐにでも飛び立てます。

 米国に行くのが無理なら国内で緊急記者会見を開き、事情を説明すべきです。しかし残念ながらそれもなし。そうこうしているうちにリコールは欧州、中国にも波及、リールする総台数は延べ1000万代と天文学的な数字にたっしました。

 翌28日の朝、トヨタの関係者から「今朝、社長が専用機に乗って飛び立ちました」との連絡が入った。「ようやく重い腰を上げ、米国で記者会見を開くのだな」と一安心しましたが、何と専用機が向かったのは、米国ではなく欧州でした。ダボス会議に出るのが目的だそうです。一瞬、「行き先が違う」と大声を出しそうになりました。

 週末をダボスでノンビリと過ごし、2月2日に帰国するようです。それから対策を練り、3日に生産担当副社長が会見するようです。トヨタの09年度第3・四半期決算は4日に発表されますが、どうやら通期でも黒字に転換しそうなので、社長が出席する方向で調整しているようです。しかし仮に今期人黒字転換しても、リコールの影響が出るのはこれからです。欧米でトヨタ車の買い控えが起これば、11年3月決算は再び赤字に転落する可能性もあります。

 豊田章男社長は就任以来、株主に対する広報ともいうべきIRも不熱心で、マスコミの個別インタビューにも応じようともしません。都合の良い時だけ記者会見をやるとの態度では、株を叩き売られるのも致し方ありません。

 

 

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