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記者と編集者

 表参道という場所柄のせいか、後輩の日経新聞記者や日経BPの現役記者だけでなく、雑誌の編集者も遊びに来ます。
 仕事の話が一段落し、雑談して気がつくのは、記者も編集者自分の仕事が分かっていない人が意外に多いことです。
 新聞記者の仕事は、ニュースを取ることです。そのためには持論を展開するのではなく、ひたすら相手の話を聞くことです。雑誌記者はニュースもさることながら、相手の考えを聞き出し、それをまとめるのが仕事です。

 優秀な記者は、自分の見立てがしっかりしています。質問のポイントも的確で、「私はこう思いますが、佐藤さんはどう思われますか」と尋ねます。反対に平凡な記者は「あの人はこう言ってました、この人はこう言ってました」というだけで自分の見立てのない人です。30分も雑談すれば、「この記者は特ダネをとれる記者かどうか」おおよそ察しがつきます。

 記者は自分で原稿を書きますが、編集者は自分の立てた企画に合致した筆者を見つけ出し、その人に書いてもらうことが仕事です。優秀な編集者は雑談しながらでも、「この人に原稿を依頼すれば、どのような内容になるか」を瀬踏みしています。

 記者も編集者も人に会うのが仕事ですが、目的は全く違います。一見、仕事は似ているように見えますが、実態は似て非なるものです。

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